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2009 年度 実績報告書

ラテン文学における死の表象

研究課題

研究課題/領域番号 19520216
研究機関京都大学

研究代表者

高橋 宏幸  京都大学, 大学院・文学研究科, 教授 (30188049)

キーワード西洋古典学 / ラテン文学 / 死生観 / 表象 / ウェルギリウス / オウイデイウス
研究概要

本研究は死の表象について、(1)国家ないし伝統の存続との関わりから表現された死、(2)個人の内面を投影して表現された死、(3)神話世界に取材して表現された死という3つの重点テーマを設定し、おのおのについて重要と思われる作品群から特定のものを選んで考究する。
本年度は、(a)3つの重点テーマを総合する形で「ラテン文学に見る霊魂と伝統」と題する論文(裏面参照)において、ある人物が生前に示した精神性の継承を「霊魂」の働きとして捉え、ギリシアと比較したとき、その働きの強さ、個人と国家の命運がパラレルをなした形での詩作の不死性、「ローマ人」の伝統形成といった点にローマの特色があることを指摘した。
また、重点テーマ(1)をめぐって、(b)ウェルギリウス『アエネーイス』に現われる「葬礼」のモチーフについて「永遠の記憶」「復讐」といったモチーフとも関連させつつ、作品全体の文脈に照らして検討する一方、(c)カエサル『ガリア戦記』において、生死を賭けた戦いでの「蛮勇」と「真の武勇」の相違が巧みに表現されていることを観察した(裏面「図書」参照)。
加えて、重点テーマ(3)をめぐっては、博士学位論文「オウィディウスの神話語り-手違いの詩歌-」(京都大学:2010年1月25日学位授与)としてまとめた中に、パエトーン、プロクリス、ピレーモーンとバウキスなど、主人公の死をめぐる表現について考究した。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2010 2009

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (1件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] プラウトゥス『バッキス姉妹』における策略と成功2010

    • 著者名/発表者名
      藤井琢磨・高橋宏幸
    • 雑誌名

      西洋古典論集 22

      ページ: 216-248

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 文字、手紙、文学2010

    • 著者名/発表者名
      高橋宏幸
    • 雑誌名

      西洋古典学研究 58

      ページ: 102-110

    • 査読あり
  • [雑誌論文] ラテン文学に見る霊魂と伝統2009

    • 著者名/発表者名
      高橋宏幸
    • 雑誌名

      アジア遊学 128

      ページ: 50-59

    • 査読あり
  • [学会発表] ギリシア・ローマ神話についてのいくつかの視点2010

    • 著者名/発表者名
      高橋宏幸
    • 学会等名
      比較神話学研究組織研究会「世界神話の文献と現地調査の諸問題」
    • 発表場所
      名古屋市市政資料館
    • 年月日
      2010-03-21
  • [図書] カエサル『ガリア戦記』歴史を刻む剣とペン2009

    • 著者名/発表者名
      高橋宏幸
    • 総ページ数
      209
    • 出版者
      岩波書店

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公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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