1.「結核」については、エドモン・アフーの『ジェルメーヌ』(1857)、ゴンクール兄弟の『シェルヴェーゼ夫人』(1868)に関し、「アブーの『ジェルメーヌ』とゴンクール兄弟の『ジェルヴェーゼ夫人』の肺癆」という論考を『熊本大学社会文化研究8』(熊本大学大学院社会文化科学研究科、2010年3月)に公刊した。 2.引き続きゾラの「ルーゴン=マッカール叢書」に現れた結核についても考察をし、「「ルーゴン=ヤッカール叢書」の肺癆」と題する論考を『文学部論叢』第101号(熊本大学文学部、2010年3月)に公刊した。 3.すでに2008年3月に公刊している「「ルーゴン=マッカール叢書」のアルコール中毒」(前・後編)について、その後収集した資料に基づいて再検討をし、その論考に修正を加えた。 4.梅毒については、申請者はすでに大方の研究を終え著作を著しているが(「梅毒の文学史』平凡社、1999年)、その際漏れた作家ゾラについてやはり梅毒の描写に関する研究を行った。 5.本研究は今年度がまとめの最終年度となるため、上記の研究をまとめて報告書『三大社会病(結核、アルコール中毒、梅毒)層と自然主義期の小説』と題する報告書を2010年3月に刊行した。
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