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2008 年度 実績報告書

古典期アテーナイ演劇におけるジェンダー描出の研究

研究課題

研究課題/領域番号 19520251
研究機関和歌山県立医科大学

研究代表者

西村 賀子  和歌山県立医科大学, 保健看護学部, 教授 (30180649)

キーワード古代ギリシア / 演劇 / ジェンダー / アリストパネース
研究概要

昨年度から今年度にかけて、アテーナイ演劇だけではなく、古曲学全体におけるジェンダー研究の歴史を振り返り、最新の動向を述べ、未来を展望する論文を紀要に書いた。古典学とジェンダーの関係についての研究は我が国にはあまりないので、貴重である。この論文では古代ギリシアにおけるジェンダーとセクシュアリティの研究が1970年代から活発になり、21世紀に入った現在どのような動向にあるかを述べた。古代ギリシアの喜劇の研究に関しては、「ギリシア喜劇とジェンダー」という論文が昨年11月に刊行された『ギリシア喜劇全集』別巻に所収された。この論又ではアリストパネースのいわゆる「女もの」と呼ばれる三編の喜劇、つまり『リューシストラテー』、『テスモポリア祭を営む女たち』、『女の議会』を取り上け、服装倒錯とスピーチ(言語)さらにステレオタイプ(類型的描写)に焦点を当てて論じた。「女もの」三編においてはこれら三つの要素が相互補足的な関係にあり、最終的には祝祭へと収束するという結論を得た。また、アリストパネース『女の議会』の翻訳および解説を脱稿し、現在はすでに再校段階に入っており、今年中には刊行される予定である。喜劇に関してはまた、断片の翻訳も現在は仕上け段階に進みつつある。
以上のような喜劇作品と翻訳の仕事に携わるなかで、喜劇とジェンダーについての研究意識もますます先鋭化されている。さらに今年度の予定としてはかねてより執筆要請のあった『オデュッセイア』についての書物を完成させるべく、とくにジェンダーの観点から、これまで男性研究者があまり重視してこなかったぺネロペに光を当てて論じたい。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2009 2008

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件)

  • [雑誌論文] 西洋古典学におけるジェンダー研究--その歴史と展望(2)--2009

    • 著者名/発表者名
      西村賀子
    • 雑誌名

      和歌山県立医科大学保健看護学部紀要 第5巻

      ページ: 1-8

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 西洋古典学におけるジェンダー研究--その歴史と展望(1)--2008

    • 著者名/発表者名
      西村賀子
    • 雑誌名

      和歌山県立医科大学保健看護学部紀要 第4巻

      ページ: 11-18

    • 査読あり

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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