本研究には二つの目的がある。第一にコネチカット植民地がいかに創設されたかを歴史的に解明することであり、第二にトマス・フッカーの生涯と思想を分析することである。コネチカット渓谷は隣接するオランダ領ニュー・アムステルダムとの競争があり、マサチューセッツ湾植民地やプリマス植民地、ロード・アイランド植民地にはさまれていた。植民地創設者のフッカーは英国、オランダ、ボストン、ハートフォードと次々に移動したが、移動した土地それぞれで思想的リーダーとなった。柔軟性あふれる思考と精神的な強靭さを持つフッカーは、宗教者として正統派の会衆主義の教義を確立し、時にはその思想を変貌させつつ、新しいコネチカット植民地を創設した。本研究は政治家・思想家・宗教者としてのフッカーを、多面的な視点から解明する。また本研究の成果としてフッカーの伝記を出版する。
|