研究概要 |
平成19年度申請書に記述した研究実施計画は達成され、本研究は予定以上の成果があった。 4月、「アジア系アメリカ学会」(ニューヨーク)では、公文書館へ招待され、ニューヨーク港を拠点とする中国系移民のアメリカ入国関連書類の分析・説明を受けた。また学会のシンポジウムでは、前年、日系強制収容所Tule Lake巡礼イベントで紹介されたドキュメンタリー映画「ミリキタニの猫」のスタッフとの意見交換が実現した。 6月、日本アメリカ学会(東京)では、アジア系アメリカ研究分科会の責任者を依頼され,研究経過などの受け継ぎがあった。さらに、9月京都で開催されるアジア系アメリカ文学研究会年次大会の運営委員として,フルブライト研究員Stephen Sumida(前アメリカ学会会長)ワシントン大学教授に基調講演依頼の折衝をした。 最終原稿提出から半年、8月末最終校了を経て、印刷したての「強制収容とアイデンティティ・シフト」を持って、ノースダコタ州ビスマークへ出発した。戦時中,司法省管轄の敵性外国人抑留所(現在アメリカ先住民族の大学)を訪れるためであった。1週間の滞在中、2日間NBCテレビの地方局KMOTに取材を受け、9月最初の日曜日(Labor day祝日)に特別番組として全米放映された。最後の週はカリフォルニアに飛び、サクラメント,オークランド、サンフランシスコなどで,限られた日程の中幸運にも関係者全てに会えた。 9月AALA(アジア系アメリカ文学研究会)フォーラム(キャンパスプラザ京都)「21世紀から見る日系人収容所体験」のパネリストとして,講演した。月末には,著書「強制収容と文化変容-日系二世・三世の日本とアメリカ」の舞台福岡に出張してデータの確認をしてきた。 出版後、新聞などのインタビューがあり、その校正などで当該研究を中心とした実り多い1年であった。
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