研究課題/領域番号 |
19520274
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研究機関 | 龍谷大学 |
研究代表者 |
桂 文子 龍谷大学, 法学部, 教授 (00081084)
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研究分担者 |
岡村 眞紀子 京都府立大学, 文学部, 教授 (80123488)
武田 雅子 大阪樟蔭女子大学, 学芸学部, 教授 (30024475)
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キーワード | ソネット / ソネット・シークエンス / 16,17世紀英詩 |
研究概要 |
21年度には、20年度に引き続き、John Fuller(ed.), The Oxford Book of Sonnetsを底本として、既刊のソネット選集の第3集、『ソネット選集-ワイヤットからハーバートまで-』の公刊にむけて毎月2回の会合を重ねた。3人がそれぞれ作品を分担し、収集した資料に基づき精読し、詩人小伝・テクスト・訳・注・作品解説の草稿を執筆したものを持ち寄り、議論を重ねるというこれまでどおりの方法を踏襲し、内容を深めた。ただ、研究分担者の一人、岡村眞紀子は21年1月より9月まで、海外研究の機会を与えられ、オックスフォードで研究を進めることになり、この期間は日本にいる桂、武田とe-mailで頻繁に意見を交換しあう、という方法をとらざるを得なかった。岡村の専門はまさに16-17世紀の英詩であり、イギリスに滞在していることで、資料の検索・収集に関するレスポンスが迅速に進んだ。解釈上の疑問点についても岡村を通じてイギリスの専門家に教示、助言を得られ、研究がはかどった。夏には桂、武田もイギリスへでかけ、オックスフォードで3人が落ち合い、存分に議論をかさねると共に、ボードリアン図書館はじめ、研究資料の収集に携わった。この間の研究で、女性が詩人としての地位を確かなものとし始め、ソネットの主題が政治、宗教、社会的なものへと広がりを見せて、イタリア詩から独立していった過程が明らかになった。9月以降には収集した資料を活用して各自分担の粗原稿の作成に努め、3月までに出版原稿の草稿がでそろったので、2010年度中に第3集を刊行する予定である。この第3集の公刊によって16世紀から19世紀のイギリスソネットの形式・内容の両面での変遷がある程度あきらかにできるはずである。
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