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2008 年度 実績報告書

収録字の配列方法より考察した中国辞書史の研究

研究課題

研究課題/領域番号 19520286
研究機関東北大学

研究代表者

花登 正宏  東北大学, 大学院・文学研究科, 教授 (60107175)

キーワード辞書 / 字書 / 音書 / 義書 / 洪武正韻彙編 / 画引き辞書 / 音引き辞書 / 意義分類体辞書
研究概要

中国の文字である漢字は、形・音・義の3つの要素を持ち、このおのおのを配列の手段、換言すれば検索の手段とする伝統的な辞書が存在する。そして、字形によるものは「形書(字書)」、音によるものは「音書(韻書)」、そして字義によるものは「義書」と呼ばれる。本研究課題は、これら3種の中国の伝統的辞書を収録字の配列(検索)という観点から考察し、新たな中国辞書史を構築することを目的とする。
昨年度、本課題に関わる2篇の論文、「《洪武正韵〓編》在中国字書史上的地位」「編纂《古今韵会挙要》的目的」を公刊したのに続き、今年度は報告を1回行い、その報告をもとにまとめた1篇の論文を公刊した。今年度公刊した論文「収録字の配列方法より考察する中国辞書史の構想」は、昨年度の2編の論文を踏まえ、中国の多様な伝統的辞書を、その収録字の配列という観点から分析した場合、一体どの様なことが明らかとなり、従来と異なった辞書史となるのか、その構想を提示したものである。本論文では、歴史的に3種の辞書の中では『爾雅』に代表される義書が先ず成立し、次いで『説文解字』を嚆矢とする形書、最後に魏の李登の「声類」、晋の呂静の『韻集』等の韻書が成立したことを示し、このような成書の順になった原因は、配列の手段である字義・字形・字音の分析がこの順序で困難である所に求められることを明らかにした。ついで、昨年度の研究で明らかにしたように、『洪武正韻彙編』は部首・収録字双方に筆画順を採用した最初の形書であり、中国辞書史は訂正される必要のあることを指摘した。最後に、音書は、先ず詩文の平仄・押韻字検索のための韻書として成立したが、後になると戯曲のための曲韻、詞のための詞韻が成立した。これら3種の音書がその体裁を異にするのは、対象とする韻文の押韻方法の違いによるものであることを明らかにした。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2008

すべて 雑誌論文 (1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] 収録字の配列方法より考察する中国辞書史の構想2008

    • 著者名/発表者名
      花登正宏
    • 雑誌名

      東北大学中国語学文学論集 第13号

      ページ: 1-24

  • [学会発表] 字書・音書・義書-収録字の配列方法よりする中国辞書史の構想2008

    • 著者名/発表者名
      花登正宏
    • 学会等名
      琉球官話と中国のことば
    • 発表場所
      琉球大学法文学部
    • 年月日
      2008-06-28

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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