本研究は、1.「媒介有としての独歩文字1-ワースワース "TherewasaBoy" "Thel Idiot boy"から独歩「春の鳥」、そして田榮澤1白痴か天才か」、2.「媒介者としての独歩文学II-モーパッサン「港」「隠者」から独歩「運命論者」、そして金東仁「ペタラギ」」、3.「媒介者としての日本文学-ヨーロッパから日本、そして韓国へ」を3年間で行う。二年目である本年度においては、前年度に行った基礎研究をもとに論文を執筆するとどもに、論文執筆に伴っそ足りな添った資料を収集し、その解読にあてた。本年度に行った具体的な内容及び意義は以下の通りである。 (1)具体的な内容 まず、論文執筆については、東アジア日本学会(韓国)に、「一人称観察者叙述形式が映し出す「新しい入間」-国木田独歩「春の鳥」を手掛かりとして」『日本文化研究第28輯』403がら431頁、査読付)を掲載した。本論文は、課題論文1を、論文の内容に即してタイトルを変更することによって、媒介者としての独歩像をより明らかにすることできた。 次に、資料収集及び分析については、課題論文2「媒介者としての独歩文学II-モーペッサン「港」一「隠者」から独歩「運命論者」、そして金東仁『ペタラギ』」と、課題論文3「媒介者としての独歩文学-ヨーローツパから日本、そして韓国へ」の論文執筆にあたって、前年度に行った資料を分析すると同時に、足りない資料を収集し、その解読に努めた (2)意義 以上、1年間にわたって行った論文執筆と資料収集及び分析、研究者との意見交換は、本研究が目的としている「媒介者としての独歩文学」、ないしは「媒介者としての日本文学」という、これまでの日本文学、または比較文学が明らかにする乙とができなかった新しい面を提示する上でなくてはならない重要な作業である。その成果は一部公開し、残りはこれから学会発表等を通じて順次紹介していく予定である。
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