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2009 年度 実績報告書

インド古代説話の形成-『ブリハット・カター』のカシミール伝本成立を探る

研究課題

研究課題/領域番号 19520294
研究機関(財)東方研究会

研究代表者

柴崎 麻穂  (財)東方研究会, 研究員 (30342679)

キーワードその他の各国文学 / インド古代説話 / 『ブリハット・カター』 / クシェーメーンドラ / ソーマデーヴァ / カシュミール
研究概要

1)基礎研究(テキスト講読):本年度は第III部ナラヴァーハナダッタ(Nv)王子行状記の中盤部分にあたる、第7巻-Nvの青年期から結婚の経緯-のBKMとKSS、BKSSの三テキストを読み進め、分析の基礎データを収集した。2)関連文献・資料の調査と収集:KSSについては1本の写本を複写入手した。このKSSの写本は年代の特定など不明な点が多く、22年度にはまず写本の背景について調査する必要がある。また『カター・サリット・サーガラ』の著者ソーマデーヴァの時代背景についての調査に着手した。今後も10-12世紀のカシミール周辺の歴史について調査を進める。3)現存テキストの校訂:1)のテキスト講読と平行して、必要に応じてテキストの校訂作業を引き続き行う。
昨年度の調査で、カシミールの史書に15世紀のペルシャのムスリム達もBK(おそらくKSS)を好んで朗読していた記録があることが分かった。これまで進めてきた研究や現存する関連文献から、その構成・内容ともに粗略ながらBKMが典拠に忠実であるのに対して、KSSは章立ての大幅な改編がなされ、内容の矛盾も各所に見られる。時代・民族・宗教を超えて広く読まれ、後代の諸作品にも影響を及ぼしたKSSを著者Somadevaはどのような意図で改編したのか、宮廷詩人としてSomadevaが置かれていた状況についてもあわせて考えてみる必要がある。

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公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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