研究課題
本課題では、これまでのテクスト論研究を土台に、さまざまなジャンルのテクストと、そこに関わる<声>の問題を取り上げ、教育・研究両面にわたり、成果を挙げている。協定大学であるフランスのボルドー第3大学と研究交流を深めている。2005年9月に、ボルドー第3大学の文学研究グループ「モデルニテ」の代表であるラバテ教授をお招きし、「声の詩学」と題した講演をしていただいたのを皮切りに、昨年11月には、本学の19世紀研究所との共催で、国際シンポジウム「声とテクストとまなざしの19世紀」を開催し、ボルドー第3大学のエリック・ブノワ教授を招待し、「声の中の空虚-ボードレール、ヴェルレーヌ、マラルメー」と題した講演をしていただいた。フランス近代詩をテーマに、19世紀後半の詩のテクストの<声>に認められる「空虚」と近代的な「自我」の非人称化の過程を関連づけて報告したものである。講演後、活発な意見交換も行われ、近代詩特有の一人称の<声>の生成と詩の音楽性との関連について、議論を深めることができた。われわれの科研グループとボルドー第3大学との研究交流は年々深まり、しかも年々連携の絆は強まってきている。2008年3月に高木はボルドー第3大学に赴き、研究打ち合わせを「モデルニテ」と行い、研究部門の代表であるベルナール・ヴイユー教授から、20年度に予定しているシンポジウムについて、全面的な協力の約束を頂いた。本課題の研究参加者は、19年度にそれぞれ課題に即して、論文・著書など、研究成果をあげている。
すべて 2008 2007
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中世文学の回顧(勉誠出版)小林保治監修
ページ: 241-250
「英文学会誌」(新潟大学英文学会) 30号
ページ: 43-58
『ユリイカ』 39巻
ページ: 111-117