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2007 年度 実績報告書

インド中世初期における女神の最高神化の機制

研究課題

研究課題/領域番号 19520300
研究機関京都大学

研究代表者

横地 優子  京都大学, 文学研究科, 准教授 (30230650)

キーワードヒンドゥー教史 / Skandapurana / Devimahatmya / 女神神話
研究概要

1.原スカンダプラーナのヴィンディヤ山女神の神話サイクルを語る18章分について、新しい写本A7との校合を完了した。また、8月から9月にかけて6週間オックスフォードに滞在し、オックスフォード大学ボードリアン・ライブラリ所蔵の写本S3の現物、および最古の写本S1の20世紀初頭に撮られた白黒写真を使って、S1とS3写本の校合の最終チェックを行った。この成果に基づき、上記の18章の校訂テキストの改訂を行った。
2.18年度の研究で、デーヴィーマーハートミャ(DM)、特にその中の魔神スンバ・ニスンバを女神が殺す神話が、原スカンダプラーナの上記の神話サイクルおよび同プラーナの他の女神神話を前提としていることを明らかにしたが、19年度はそれに続き、DMがどのようにしてシヴァ妃パールヴァティーとヴィンディヤ山女神から派生する戦いの女神とのヒエラルキー関係を逆転して戦いの女神を最高神とし、さらにその最高女神をシャクティ(宇宙の基本原理としてのカ)として理論化していったかを考察した。その成果については、現在論文にまとめているところである。
3.3月に学術振興会の招聘研究者として九州大学に招かれたドミニク・グッドール博士を中心として、片岡啓(九州大学文学部准教授)とディワーカル・アーチャールヤ(京都大学文学研究科外国人教師)に申請者を加えた4人で、九州大学と京都大学にて、聖典シヴァ派(シャイヴァ・シッダーンタ)の未出版のテキストを校訂・翻訳する研究会を行った。申請者は、シャクティという概念は聖典シヴァ派の初期段階で女神信仰とは異なる文脈で理論化され、その後女神信仰に取り入れられたと仮定している。研究会の成果は、共著論文として、今年度の「南アジア古典学」に掲載される予定である。
4.これまでにインドで撮影した、女神に関する図像・遺跡等の写真資料のうち、ほぼ半分の画像データ化を行った。残余については、今年度に画像データ化する予定である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2008

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件)

  • [雑誌論文] A First Edition and Translation of Bhatta Ramakantha's Tattvatrayanirnayavivriti.2008

    • 著者名/発表者名
      D. Goodall, K. Kataoka, D. Acharya and Y. Yokochi
    • 雑誌名

      南アジア古典学 第3号

    • 査読あり

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公開日: 2010-02-04   更新日: 2016-04-21  

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