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2008 年度 実績報告書

ベルギー・ルヴァンラヌーヴ・カトリック大学所蔵古典籍についての研究

研究課題

研究課題/領域番号 19520312
研究機関大東文化大学

研究代表者

山口 謠司  大東文化大学, 文学部, 准教授 (00286915)

キーワード書誌 / ベルギー / 昭和天皇 / 第一次世界大戦 / ルヴァン大学 / 宮内庁 / 幸田露伴 / 日本古典籍
研究概要

本年度、筆者は、ルヴァン・ラ・ヌーヴ・カトリック大学図書館所蔵の和漢書をデータ化しながら、それぞれの書籍の刊行年、修年、印年などの書誌データをさらに詳細にするために、国内の図書館に所蔵される同名の書籍と比較を行った。また、本データを公開するために、書名及び著者名の索引を作成し、そのためのレイアウトを用意した。本図書館の蔵書については、すでに山崎誠氏によって『ルヴァンラヌーブ大学藏日本書籍目録』(勉誠出版2000.05)として発表されているが、書誌データとしての誤りや重要な書誌情報に欠落するところが多い。今回の調査によって、筆者は山崎氏の目録を正し、ルヴァン大学所蔵の古典籍の重要性を書誌的に解明することができた。ところで、現在ルヴァン・ラ・ヌーヴ・カトリック大学図書館に所蔵される日本古典籍は、第一次世界大戦によるドイツのベルギー侵攻に当たってルヴァン大学が攻撃を受け、戦後、大学復興と図書館再建に向けての運動の一環として行われた昭和天皇(当時皇太子)の寄贈によるものである。筆者は、この蔵書の全体像から昭和天皇が寄贈に当たってどのような意図を持っておられたか、またその寄贈する蔵書の収集に早稲田大学とも関係が深かった漆山又四郎とその師である幸田露伴、また露伴の弟で書誌学にも非常に造詣が深かった幸田成友が貢献したことをも確かめ得た。こうしたことは、これまで全く知られていなかった事実であり、幸田露伴を中心としたネットワークを知る上にも非常に大きな意味を持つものと考える。なお、本書のベルギーへの搬送には、日本郵船が利用されフランスのマルセイユを経たことが、昨年のマルセイユでの調査によって明らかになった。筆者はこうしたことをも更に詳細に今後報告していく次第である。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2008

すべて 雑誌論文 (3件) 図書 (2件)

  • [雑誌論文] 字書の王様--『玉篇』2008

    • 著者名/発表者名
      山口謡司
    • 雑誌名

      アジア遊学 105号

      ページ: 199-201

  • [雑誌論文] 冨山房の『漢文大系』2008

    • 著者名/発表者名
      山口謡司
    • 雑誌名

      アジア遊学 110号

      ページ: 106-128

  • [雑誌論文] (編訳) 『中国歴史文献学述要』-魏晋南北朝時代の総集について2008

    • 著者名/発表者名
      山口謡司(洲脇武志, 石川薫と共訳)
    • 雑誌名

      大東文化大学漢学会誌 48号

      ページ: 177-193

  • [図書] 静嘉堂文庫所蔵北宋版『白氏六帖事類集』古典研究会叢書 漢籍之部402008

    • 著者名/発表者名
      山口謡司(神鷹徳治と共著)
    • 総ページ数
      368
    • 出版者
      汲古書院
  • [図書] 静嘉堂文庫所蔵北宋版『白氏六帖事類集』古典研究会叢書 漢籍之部412008

    • 著者名/発表者名
      山口謡司(神鷹徳治と共著)
    • 総ページ数
      376
    • 出版者
      汲古書院

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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