22年度の研究実績の概要は、次の通りである。 1、日中両国において、本研究に関する漢籍・研究資料を幅広く収集している。 (1)本研究に必要な基本図書・資料を収集し、資料整理を行っている。 (2)唐・宋代の典籍(中国の経典・史書・諸子書文集詩集・総集・地方志・墓志・石刻・敦煌文献・類書・叢書・譜牒・史料価値のある随筆など)に現れる唐代の著述に関する記述を調査している。 (3)出土古文献資料を調査している。 (4)近代以降の学者が著した唐代の著述に関する論文・著述を収集している。 2、それまでの蓄積(主に『日本國見在書目録』研究・『日本・中国における唐代の著述に関する総合目録作成のための基礎的研究』の研究成果)を基盤として、『新唐書』芸文志を中心に、各目録などに依拠しつつ、仏典・道教典書目や敦煌遺書総目なども参考としながら、子部と集部(一部)の解題を作成している。今までに作成された經部・史部・子部(一部)の内容を補正している。解題の内容は、主に、各著述について、(1)成書経緯とその構成内容、(2)各書の真偽、(3)各書の流伝状況(存・佚・殘・不明)と伝本、(4)その著述に対する前人の研究成果及び意見などが含まれる。著者については、(1)生卒年、(2)籍貫及び郡望、(3)登第及び任官、(4)主要活動、(5)著述などである。 3、作成した解題について協力者・各分野の専門家に意見を求めている。 4、収集した資料を入力している。 本年度は基本的には事前に定めた計画・方法に即して進めているが、経費・天候・国籍などの原因で未調査部分があるので、本研究を今後も継続する必要があると思う。台湾に関係圖書・資料が大量に所蔵されているが、未調査となっている。来年度から大陸の所蔵を引き続き調査する同時に、台湾の所蔵を調査する予定がある。
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