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2008 年度 実績報告書

イベント間関係読み込みとイベント融合による英語二次述語構文と日本語複合動詞の研究

研究課題

研究課題/領域番号 19520336
研究機関信州大学

研究代表者

加藤 鉱三  信州大学, 全学教育機構, 教授 (20169501)

研究分担者 花崎 美紀  信州大学, 人文学部, 准教授 (80345727)
都築 雅子  中京大学, 国際教養学部, 教授 (00227448)
キーワード結果構文 / 二次述語 / イベント間関係読み込み
研究概要

John sneezed the napkin off the tale.やMary bowed him in.のような表現は,(1)本来的に他動詞でないものが目的語と目的格補語を取っており,(2)その補語は結果状態を表示する,という点で研究者の関心を集めてきた。この種の臨時的構文の考え方として,次の3つのアプローチが代表的なものであろう。 1.結果構文という「構文イディオム」であるとする 2. 「玉突き」というスキーマに依存したものであるとする 3.動詞の語彙情報「目的役割」に依存したものであるとする
これらは,(1)が(2)の結果であるとする,という点で同種のアプローチである。つまり,補語が結果状態を表す(つまり(2))ことを与件として受け入れ,(3)結果状態があるからには,その結果に至るサブイベントの主体がなければならない,というように。本研究では,(2)を与件とせず,(2)を説明の対象とするアプローチを提示する。従来のアプローチのように(1)が(2)の結果であるならば,思考ロジックが人類共通であるならば,(4)なぜ英語だけにこの構文があるのか,が分からなくなるからである。本研究は,(1)は分詞構文を受容するメカニズムに関係があり,(2)は与件ではなく,イベント間関係読み込みの自然な帰結である,と主張する。
本研究のアプローチは,概略次のようなものである。英語の分詞構文は,接続詞が明示されない限り,二つのイベントが並んでいるだけであり,理由や付帯状況といった解釈は,その二つのイベントの間に読み込まれるものであり,構文自体にそのような意味要素を認める必要はない。結果構文も基本的にはそれと同じである。ただし,結果構文では,二つのイベント間の関係として読み込まれるものは<継起>しかない。それは,disjunctである分詞構文と違って,結果構文では第二イベントがadjunct関係で並んでいる,という統語的な配列からくる制約を受けるからである。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2009 2008

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (3件)

  • [雑誌論文] if節を伴わない仮定法の翻訳手法2009

    • 著者名/発表者名
      加藤鉱三
    • 雑誌名

      言語処理学会第15回年次大会(NLP2009)発表論文集 15

      ページ: 650-653

  • [雑誌論文] 前置詞の棲み分け-inとonを中心にして2009

    • 著者名/発表者名
      花崎一夫, 加藤鉱三
    • 雑誌名

      中部英文学 29

      ページ: 233-242

    • 査読あり
  • [学会発表] 結果としての結果構文2008

    • 著者名/発表者名
      加藤鉱三
    • 学会等名
      日本英文学会中部支部大60回大会
    • 発表場所
      信州大学
    • 年月日
      2008-10-18
  • [学会発表] Why Do Prepositions Look Polyseraous?2008

    • 著者名/発表者名
      加藤鉱三
    • 学会等名
      ELSJ International Spring Forum
    • 発表場所
      東京外国語大学
    • 年月日
      2008-04-28
  • [学会発表] The Semantics of Till / Until/ To & On / Upon/ In2008

    • 著者名/発表者名
      花崎一夫, 花崎美紀
    • 学会等名
      ELST International Spring Forum
    • 発表場所
      東京外国語大学
    • 年月日
      2008-04-27

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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