• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2007 年度 実績報告書

日・仏・ルーマニア語対照による与格の認知機能的研究

研究課題

研究課題/領域番号 19520345
研究機関神戸大学

研究代表者

林 博司  神戸大学, 国際文化学研究科, 教授 (40135819)

キーワード非語彙的与格 / 拡大与格 / プロファイリング / 語彙概念構造 / 二次叙述 / 意味合成操作 / 制約 / 達成動詞
研究概要

本年度は典型的な非語彙的与格であるフランス語の拡大与格を取り上けた。理論的枠組みとして語彙概念構造(LCS)が役に立つことが分かった。まず、拡大与格の基本的機能は、身体部分を含む被所有物が何らかの影響を受けたことを言語化するとき、話者がその被所有物のみならず所有者も前景化されプロファイリングされることを相手に伝えたいときに用いるマーカーであることを明らかにした。そして、このプロファイリングを保証する仕組みとして「二次叙述仮説」を提唱した。これは概ね、「与格の指示物がプロファイルされるためには、この指示物は述語のLCSの二次叙述の部分と密接な関係を持たねばならない」ということを述べている。そして、達成動詞のタイプに現れる与格がプロトタイプであることを明らかにした。論拠は(1)このタイプの述語は語彙的意味に初めから二次叙述を含んでいる、(2)このタイプでは与格構文が属格構文より好まれるケースが多い、(3)殆どの制約から自由である、の3点である。他の非プロトタイプは「含意の焦点化」、「結果の焦点化」、「潜在的結果の顕現」、「潜在的原因の顕在化」という4つの意味合成操作によって生成され、この生成に対して、「被動性制約」、「アニマシー制約」、「分離不可分性制約」、「トピック制約」という4つの制約がかかると結論づけた。この理論的枠組みの整備は次の段階の研究に役立つと考えられる。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2008

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] The Extended Dative in Frencb and the Hypothesis of Second Predication2008

    • 著者名/発表者名
      林 博司
    • 学会等名
      The 4th Oxford-Kobe Linguistic Seminar
    • 発表場所
      St Catherine's College(Oxford)Kobe Institute
    • 年月日
      2008-04-01

URL: 

公開日: 2010-02-04   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi