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2008 年度 実績報告書

「程度」と「差」に関する形式意味論的研究

研究課題

研究課題/領域番号 19520353
研究機関琉球大学

研究代表者

蔵藤 健雄  琉球大学, 教育学部, 准教授 (60305175)

キーワード比較表現 / 形式意味論 / 程度表現 / 接頭辞 / モデル理論的意味論
研究概要

本研究の主たるテーマは、比較表現における「程度(extents)」と「差(differences)」をモデル理論的意味論の枠組みで明確に定義し、関連する諸言語事実に理論的説明を与えることである。そして「『程度』と『差』はともにスケール上のポイントの集合として表され、それ故、意味型(type)は同一であるが、両者は類(sort)が異なる」という仮説を立て、論証を試みている。20年度はKennedy (1997) Projecting the Adjectiveで展開されている説を出発点として論考を行った。具体的には、例えば、(1)*Mary outran John fast.(2)Mary outran John faster than Sue did.の対比で、(1)では副詞の原級は用いられないがそれが比較級になると(2)のように許容されるという事実がある。これは、(3)??John is 5 feet short.(4)John is 2 inches taller than Maryis.の対比と同じように説明できるのではないかと考えた。Kennedyは(3)/(4)の対比を正の形容詞と負の形容詞の違いから導いているが、それでは、(1)/(2)の違いが説明できない。そこで負の形容詞が表わす程度は、「差」の特殊なケースと考えることで(1)/(2)の対比と(3)/(4)の対比が同じように捉えられると考えた。つまり、負の程度という類が最初から存在しているのではなく、スケールから正の程度を引くことによって生じた差が負の程度であると言える。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2008

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] 形式意味論からの期待2008

    • 著者名/発表者名
      蔵藤健雄
    • 学会等名
      日本心理学会第72回大会シンポジウム「言語研究者は心理学に何を期待するか? 」
    • 発表場所
      北海道大学
    • 年月日
      2008-09-20

URL: 

公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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