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2009 年度 実績報告書

「程度」と「差」に関する形式意味論的研究

研究課題

研究課題/領域番号 19520353
研究機関立命館大学

研究代表者

蔵藤 健雄  立命館大学, 法学部, 教授 (60305175)

キーワード比較構文 / 程度表現 / 動的意味論 / 差の比較
研究概要

当初の研究計画では、21年度はAndy is much taller than Bill than Chris isのような英語の差を表す表現の分析を行う予定であったが、差の意味論的を考察する過程において動的意味論のアプローチが役に立つのではないかという着想を得、その基礎的研究を行った。そしてその成果を11月の日本英語学会で発表した。研究の概略は以下のとおりである。John is taller than Mary isのような比較の意味をJohn is tall, Mary is short.とかJohn is tall, Mary is not tall.のように表現する言語がある。このような言語の比較構文の意味論に対して英語の比較構文の分析をそのまま適用することはできない。そこで、これらの言語では第2文の形容詞が照応的に働き、John is tallで導入された「比較の基準」に束縛されているという分析を提案した。そして、この分析をさらに日本語の分析にも拡大させた。具体的には、「Andyが5kg太っている」のような場合、まず、「Andyが太っている」を「Andyとある基準の間には差dがある」と考え、次に「5kg」が照応的に(d=5kg)翻訳されるとする。そうすると全体の真理条件は、「Andyの体重と基準値の間には差dがあり、d=5kgである」となる。さらに「より/以上に」節も照応的であると仮定すると、「AndyがBillより太っている以上にChrisがDavidより太っている」のような複雑な構文も同じように分析できる。このアプローチはいくつかの帰結をもたらす。今後はその帰結を検証していく予定である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2009

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] 程度表現への動的アプローチ2009

    • 著者名/発表者名
      藏藤健雄
    • 学会等名
      日本英語学会
    • 発表場所
      大阪大学
    • 年月日
      2009-11-14

URL: 

公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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