研究課題/領域番号 |
19520362
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研究機関 | 明海大学 |
研究代表者 |
西山 佑司 明海大学, 外国語学部, 教授 (90051747)
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研究分担者 |
小屋 逸樹 慶應義塾大学, 法学部, 教授 (80234904)
熊本 千明 佐賀大学, 文化教育学部, 教授 (10153355)
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キーワード | 分裂文 / ユピュラ文 / 名詞句 / 変項名詞句 / 指示的名詞句 / 叙述名詞句 / 強調構文 / 関連性理論 |
研究概要 |
本研究の目的は、研究代表者が10数年前から押し進めてきたコピュラ文や存在文に関する新しい理論と、その理論を背後で支えている名詞句の指示性に関する新しい分析を武器にして、日本語、英語、フランス語、ドイツ語など多様な言語における分裂文(cleft sentences)をめぐる諸問題を検討し、分裂文を他のコピュラ文との関係で有機的に記述・説明できる一般理論を構築することにある。まず、日本語においては「AはBだ」や「AがBだ」、英語においては"AisB"の形をとる分裂文の意味を、AおよびBに登場する名詞句の意味と文中での意味機能の観点から分析し、この構文が単純な形式であるにもかかわらず、きわめて豊かで多様な意味構造を有していることを明らかにした。また、英語のIt-Clefts構文について指定文の読みとは別に措定文の読みも可能であるかについて検討した。さらに語用論の新しいモデルである関連性理論(Relevance Theory)の立場から、措定文における叙述名詞句に自由拡充(free enrichment)という語用論的操作が適用されうるかどうかについて論じた。
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