研究概要 |
聴覚的制約と調音的制約に関する,第一および第二言語獲得の実験を,米国カリフォルニア大学サンタ・バーバラ校のビオラ・ミグリオ博士や米国ウイラメット大学の藤原美穂博士の協力を得て行った。また制約の最適性理論における追究を,英国エジンバラ大学の太田光彦博士や早稲田大学の北原真冬博士の協力を得て行った,上記2種類の制約とも,子どもの第一言語獲得においての役割と大人の第二言語習得における役割の違いが存在することを,「パラダイムの-貫性(Paradigm Uniformity)」及び「間接的反証(Indirect Negative Evidence)」の二側面から検証した,それらの研究成果を慶應義塾大学において行われたTokyo Conference on Psycholinguisticsにおいて口頭発表し,また,Studies in Language Sciences7等,3種類の雑誌に掲載した. 最適性理論の精緻化を行った成果として,本理論のバイブルとも呼べるアラン・プリンス氏とポール・スモレンスキー氏共著の「最適性理論-生成文法における制約相互作用」を翻訳し,岩波書店より出版した. 知覚実験を行う際に必要となる音声刺激作成のため,さまざまな音声の原音を収録し始めた,これは来年度に行う予定の刺激作成の基盤となるものである.
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