研究概要 |
1.中国語・英語の幸せ,悲しみを表す自発的感情表現の音響的,調音的比較中国語・英語の自発的感情表現について,調音録音(EMA)と音響録音の中から「幸せ」,「悲しみ」を表す単語及び「中立的」単語を選んで,日本人,アメリカ人及び台湾人を対象とした聴覚実験を行ない,次の結果を得た:中国語・英語とも,「幸せ」はF0の上昇,「悲しみ」は声門開大幅(H1-H2)の増大によって特徴付けられる。また「悲しみ」の場合,中国語では上唇と舌尖の突出,英語では上唇と舌の後退,という興味ある相反的知見が得られたが,これらは1名の被験者について確認されたもので,今後,生理実験を蓄積する必要がある。 2.模倣された感情と真の感情 模倣された感情音声では,声門の特質が「幸せ」「悲しみ」「中立」によって変化するが,自発的な感情音声では差異が見られない。 3.英語のリズムパターン: 藤村靖のC/D Modelに拠り,英語(朗読時)の文章の句構造とリズムについて,音節中核の顎開大量及び音節開始・ 終止時の主要調音器官のスピードに基づくアルゴリズムよって解釈するごどができた。
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