研究課題
基盤研究(C)
研究代表者は1983年にパソコンを利用した言語地理学データ処理システムSEALを開発、マニュアルを出版、プログラムを公開するとともに、実際の調査資料への適用結果を論文発表して、「パソコンによる言語地理学」を提唱した。SEALを開発しはじめた当初から、個別項目の言語地図の描画だけでなく、異なる言語地図の重ね合わせを意図して開発を行い、種々の総合・比較の方法を開発、実践してきた。最近の研究代表者による研究で、若い世代においても言語地理学的分析が有効であるが、旧世代の調査結果とは異なる分布の様相を示したことから、異なる言語地理学調査データを比較分析する方法の開発と実践にとりくんだ。本研究では、この分析手法をさらに進めて、SEALを使って既発表の方言データの分析と総合化を行い、若い世代の方言分布に至る言語変化を跡付けたい。本研究期間中に、複数の機会を捉えて、言語地理学における言語地図作成の意味とそのプロセスについて考察し、SEALを使った分析例をその中に位置づけて考えることができた。また、新旧の異なる言語地理学データの比較・総合の実例を論文等で発表した。
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