本研究の目的は、日本語の方言形成にあたって中心的な役割を果たしたと考えられる「中央語の再生」現象について検討し、この現象の特徴を明らかにするとともに、方言形成の一般原理としての理論的整備を行うことにある。具体的には、次の3つの課題に取り組む。 (1)中央語の再生現象における諸特徴の把握(=第1段階の目標) (2)方言形成の一般原理としての理論的整備(=第2段階の目標) (3)方法論の開拓、および研究資料の作成(=目標達成のための基礎固め) まず、(1)は具体的な方言データを分析し、その特徴を詳細に把握するもので、第1段階の目標として設定する。次に、(2)は(1)の結果に基づき、方言形成論としての一般化を試みるもので、第2段階の目標、すなわち、本研究における最終目標である。(3)の目標は、その位置づけは(1)(2)の目標を達成するための基礎的な作業であるが、それ自体が本研究のひとつの重要な成果として期待できる。
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