本研究は日本語学の立場から訓点資料・訓点語研究を実施するための基礎資料として「訓点資料総目録 平安時代編」を作成しようとするものである。ただし、比較的短い時間の中で大規模な目録を作成することには種々の困難があるため、まず、同目録のうち「真言宗の部」を作成し、公表しようと企図している。本研究の特色は1人の研究者の目を通して標準化されたデータを提供しようというところにある。平成19年度には次のような考察、作業を実施した。 1「訓点資料総目録平安時代編真言宗の部」の編纂方針の再確認 2目録作成のためのデータ収集とその整理 実際に目録を作成するためのデータ収集は次の3つの方向から行われる。 (1)これまでに研究代表者が調査した訓点資料のデータを活用し、それに検討を加えて使用する場合。 (2)これまでに研究代表者が調査したことのない訓点資料のデータを原本調査によって採取し、使用する場合。 (3)当面研究代表者が原本調査できる見込みのない、引用、伝聞などによる間接的に知り得た資料のデータを使用する場合。 (1)(2)のデータ確認、新規データ採取のために京都方面へ3泊4日程度の調査旅行を4回実施した。 3 目録の編纂作業 2で得たデータをもとに「訓点資料総目録平安時代編真言宗の部」を編纂して行く作業を開始した。
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