1. 訓点資料の汎用的な価値を明らかにするための基礎調査の実施 これまで調査を行った国内現存の漢籍訓点資料を中心に、さらに海外に流出した漢籍訓点資料も範囲に入れながら文献学的観点から再調査と記述項目の整理・検討を行った。 2. デジタル版目録の作成 デジタル版目録の基礎となる多言語対応型訓読術語集について、富山大学人文学部日本語学講読で検討と作業を行い対訳術語集の作成を試みた。また漢文訓読資料をデジタル処理し、その中の文字情報を有効利用するための方策について研究会を立ち上げて検討した。 3. 国際的に共有できる客観的な解読記述方法の開発 韓国における解読記述方法も十分に研究しながら、「釈文作成システム」にはどのようなプログラムやソフトウェアが適しているのか、史記夏本紀(安倍本)を材料として、記述研究に先進的な韓国口訣研究者2名を招聘し共同研究を行った。 4. 研究打合せ 東京、京都、札幌等で研究打合せを行うとともに、韓国における研究状況について、韓国側研修者と情報交換を行なった。さらに従来のE-mailによる情報交換に加え、 SNS (soci al networking system)を使った新たな研究スタイルの構築を模索した。 5. 研究成果の報告 以上の成果を、論文として発表した(別掲「研究発表」参照)。
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