• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2008 年度 実績報告書

近世辞書の学際的・言語生活史的研究のための基礎研究

研究課題

研究課題/領域番号 19520390
研究機関岐阜大学

研究代表者

佐藤 貴裕  岐阜大学, 教育学部, 准教授 (00196247)

キーワード節用集 / 辞書史 / 日本語史 / 書誌学 / 出版史 / 版本 / 版本書誌学
研究概要

・調査・研究内容 本年度においては、前年度からの基礎資料の調査・収集を継続した。やはり、近世の通俗辞書の中心である節用集を主とする。前年度では他の所蔵者には見られないような唯一性の高いものを重点的に調査したが、今年度は近世辞書の出発点であり、本研究のような基礎的研究には欠かせない、近世初期のものを中心に調査した。ことに易林本『節用集』に注意を払い、いわき明星大学附属図書館・大谷大学附属図書館・茨城県歴史資料館等を中心に調査した。このほか、これまで調査を行っていなかった東洋大学附属図書館(哲学堂文庫)・神戸女子大学附属図書館・奈良県図書情報館等でも近世初期節用集を中心に調査を行うことができた。
・成果・重要性等 前年度の調査によって初めて国語学的に検討された寛永六年本『節用集』(東京女子大学蔵)について、さらに検討をくわえつつ、その辞書史的・節用集史上における位置づけを試みた。すなわち、(1)同本を初めとする一群の節用集が寛永期に存したこと、(2)この群は、従来さして注意されない系統であり、近世節用集全般への影響も大きくないとされてきたが、そう結論するには調査が不足していること、(3)この群は前半部を寿閑本『節用集』(慶長15年刊)によりつつも、後半部は寿閑本と対峙する関係の草書本『節用集』の抜粋・横長本から本文を供給していること、(4)しかもその手法は、版下段階における切り貼りないし透き写しなどで可能な素朴なものと推測されること、などを明らかにすることができ、近世初期の節用集の編纂・改編事情の一端を示した。この成果は、学会発表・論文として本年度内に公表することができた。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2009 2008 その他

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] 一七世紀節用集における検索補助法2009

    • 著者名/発表者名
      佐藤貴裕
    • 雑誌名

      国語謡彙史の研究 28

      ページ: 157-175

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 『節用集』寛水六年刊本類の本文系統2008

    • 著者名/発表者名
      佐藤貴裕
    • 雑誌名

      近代諸研究 14

      ページ: 137-152

  • [学会発表] 『節用集』寛永六年刊本類の諸相‐諸本・編集方針・時代相 ・系統-2008

    • 著者名/発表者名
      佐藤貴裕
    • 学会等名
      国語語彙史研究会(第88回)
    • 発表場所
      花園大学 自適館300教室
    • 年月日
      2008-04-26
  • [備考]

    • URL

      http://wwwl.gifu-u.ac.jp/~atopy/ron.htm

URL: 

公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi