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2009 年度 実績報告書

近世辞書の学際的・言語生活史的研究のための基礎研究

研究課題

研究課題/領域番号 19520390
研究機関岐阜大学

研究代表者

佐藤 貴裕  岐阜大学, 教育学部, 准教授 (00196247)

キーワード節用集 / 辞書 / 古辞書 / 出版 / 近世語
研究概要

研究計画の最終年度にあたる本年度は、これまでの調査を引き継いで、近世初期節用集の基本的調査を中心に書誌情報の収集を行なった。
ことに『節用集』易林本のうち、平井版と称される異本の諸伝本の調査を拡大し、伝本間の相対的な先後関係を明らかにした。このことにより、平井版の印刷に関する有機的な検討をおこなう準備がほぼ整えられたことが大きな成果であった。これにともなって、易林本のうち平井別版と称される異本が、どの段階の平井版をもとに複製(覆製)されたかについてのより詳細な情報を得ることができ、かつ、平井別版が印刷されるようになっても、別途、平井版の印刷が平行して行なわれたらしいことを指摘することができ、近世初期節用集の印刷のありようについて新たな問題を提起し得た。
また、易林本の後継の一つである横本『二体節用集』の諸本について、これまで知られてなかった伝本の発見と、言及されてこなかった伝本について総合的に検討することができた。ことに横本で真草二行表示をとるために3巻化したことを手掛かりに、寛永期における『二体節用集』の圧倒的な流布の様子と、一方ではその急速な流行の終息とを同時に説明することができたのは予想外の収穫であった。また、本書の刊行を、住友財閥の祖・住友政友がなしていた可能性を指摘することができた。節用集の開版者および編纂者像の究明が遅れていると言われており、この点でもいささかの進展を見ることができた。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2010 2009 その他

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] 横本『二体節用集』の研究課題32010

    • 著者名/発表者名
      佐藤貴裕
    • 雑誌名

      国語語彙史の研究 29

      ページ: 205-218

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 易林本『節用集』平井版研究の基本問題2010

    • 著者名/発表者名
      佐藤貴裕
    • 雑誌名

      古典語研究の焦点

      ページ: 897-916

  • [学会発表] 拡大する狩野文庫-触発された辞書コレクションたち-2009

    • 著者名/発表者名
      佐藤貴裕
    • 学会等名
      第51回「書物・出版と社会変容」研究会
    • 発表場所
      東北大学附属図書館2号館会議室
    • 年月日
      2009-10-30
  • [備考]

    • URL

      http://www1.gifu-u.ac.jp/~satopy/ron.htm

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公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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