図書寮本類聚名義抄の凡例を作成することを目的として、本年度は以下のような研究・準備作業を行った。 (1)基礎的文献(辞書・事典、概説書)を電子化して、整理した。 凡例作成の基礎情報として、辞書・辞典類ならびに解題に見える図書寮本類聚名義抄に関する記述を全てデジタル化した。該当書は以下のようなものである。 『国語学辞典』(東京堂 1955)、『国語学研究事典』(明治書院、1977)、『国語学大辞典』(東京堂出版、1980)、『日本古典文学大辞典』第6巻(岩波書店、1985)、『漢字講座2 漢字研究の歩み』(明治書院、1989)、『日本古辞書を学ぶ人のために』(世界思想社、1995)、『日本辞書辞典』(おうふう、1996)、『漢字百科大事典』(明治書院、1996)、『訓点語辞典』(東京堂出版、2001)、橋本不美男 1950.00 図書寮本類聚名義抄解説『図書寮本類聚名義抄』宮内庁書陵部、築島裕1976.11国語資料としての図書寮本類聚名義抄『図書寮本類聚名義抄』勉誠社 (2)図書寮本類聚名義抄テキストの具体的な一部分についての研究を行った。凡例の具体的なイメージを得るため、一部分を詳細に研究し、凡例項目として必要になる要素の概要を得た。 (3)先行研究・論文の収集と整理を行った。300本に及ぶ研究論文リストを作成し、そのすべてを収集した。 (4)研究史を整理した。何がどこまで明らかにされているのか。内容・テーマごとに整理を行った。 (5)辞書の凡例について考察するため、他の古辞書の序跋・凡例(新撰字鏡序跋、倭名類聚抄序文、観智院本凡例)などを研究した。 (6)図書寮本類聚名義抄の凡例として必要な要素の一覧を作成した。 (7)凡例の作成に着手した。 以上の通り、本年度は、凡例作成のための準備作業を完了し、凡例の前半を完成した。
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