本年度は、4年計画の本研究初年度であり、データ入力に使用するコンピュータを新規購入し、書陵部蔵『春秋経傳集解』鎌倉期点の字音データを入力を完了する計画であった。 この書陵部蔵『春秋経傳集解』鎌倉中期点(三十巻)は、本研究において、規範的な漢字音を記した資料として位置づけられる。 研究は、順調に進行した。しかし、書陵部蔵『春秋経傳集解』鎌倉中期点(三十巻)全データの入力完了には至らなかった。 ただし、毛利博物館蔵『史記』院政期点、東洋文庫蔵『論語』鎌倉期点、同『中庸』鎌倉期点、東京国立博物館蔵『群書治要』鎌倉期点の原本調査をし、計画以上の資料をデータ化することができた。 さらに、21年度に計画していた『増補 親鸞聖人真蹟集成』(全十巻)を購入し、親鸞遺文の漢字音研究に取りかかることもできた。 そのため、本研究全体としては、進行計画を上回るペースで進んでいる。 来年度は、書陵部蔵『春秋経傳集解』鎌倉期点の全字音データ入力を早期に完了し、次の段階に進みたい。
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