平成19年度と同20年度で調査できなかった、3地点で臨地調査を実施した。 1鹿児島県大島郡伊仙町伊仙2鹿児島県大島郡喜界町手久津久3鹿児島県大島郡知名町久志検 それぞれの地点で2泊~3泊で調査を実施した。具体的な年中行事の観察は、行事当日の日程が合わず観察できなかった。習俗語彙の調査表に基づいた調査を実施することとなった。しかしながら、奄美諸島の各島で同一調査表に基づいた調査を実施できたことはおおきな成果である。現在一覧表を作成しているところである。 また、与論町で、年祝いに参加する機会を得た。2時間ほどの行事が、どのように進行されているかをビデオに収録することができた。これを文字化することによって、実際にどのような場面でいわゆる標準語が使用され、どのような場面で方言が使用されているかを観察することができる。開会のあいさつや来賓のあいさつまた司会進行といった場面では、ほとんどがいわゆる標準語である。それに対して、個人的な話や呼びかけなどには方言が使用される。本土のこのような会の進行と比較すると、方言と標準語の使用差や場面差が的確に把握できるだろう。 初年度に観察した葬送儀礼の場面での方言と標準語の使用実態を解明し、比較していくことによって方言と標準語の使用法使用場面が明らかになると考えている。 こめような観点がら、年中行事あるいば祝いごとや葬送などの民間儀礼を分析した研究はこれまでに前例がない。
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