• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2010 年度 実績報告書

『哲学字彙』にみられる近代学術用語の現代日本語への定着過程の検証

研究課題

研究課題/領域番号 19520402
研究機関立正大学

研究代表者

真田 治子  立正大学, 経済学部, 教授 (90406611)

キーワード国語学 / 計量言語学 / 語彙論 / 哲学字彙 / 近代語研究 / 井上哲次郎 / 元良勇次郎
研究概要

本研究は語彙の明治から現代に至る消長の過程を、明治期の学術用語集『哲学字彙』に収録された学術用語を資料として、主に計量語彙論の理論と手法によって明らかにすることを目的としている。今年度は主に下記について研究を行った。
(1)『哲学字彙』稿本と井上書き入れ本、元良勇次郎書き入れ本との照合
昨年度、代表者が発見した『哲学字彙』稿本についてその書誌を明らかにするとともに、『英独仏和哲学字彙』の編者である井上哲次郎、元良勇次郎が編纂の際に使用したと思われる『哲学字彙』書き入れ本と稿本との照合を一部開始した。その結果、書き入れた見出し語や訳語はすべてではないが、稿本及び『英独仏和哲学字彙』に反映されていることがわかった。この成果に関しては「日本語学会2010年度春季大会」で発表した。
(2)日本語の計量的な分析手法の開発
学術用語が時間とともに伝播していく様相をS字カーブに近似させて分析するため、医学等ですでに実績のある多変量ロジスティック回帰分析を時系列の語彙データに適用し、成果を『日本語の研究』(日本語学会)に発表した。このほか漢語の現代日本語への定着に関する諸問題や計量的な性質の分析手法についての研究成果を『Text and Language』『経済学季報』などで報告した。
(3)成果の総括
今年度は最終年度にあたるため研究成果全体を振り返り、学術用語の伝播と現代日本語への定着の問題について『日本語学』(明治書院)に成果をふまえて論文を発表した。また言語の計量的な分析手法についても研究概要について東北大学で講演を行った。成果は冊子体の報告書にまとめるとともに、井上哲次郎の日記『懐中雑記』の西欧人学者の氏名を索引にして冊子の付録として付けることにした。

  • 研究成果

    (8件)

すべて 2011 2010

すべて 雑誌論文 (5件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (2件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] h指標を用いた語彙の計量的分析2011

    • 著者名/発表者名
      真田治子
    • 雑誌名

      経済学季報(立正大学経済学会)

      巻: 60巻3・4号 ページ: 95-110

  • [雑誌論文] 言語の生涯習得モデルによる共通語化予測2010

    • 著者名/発表者名
      横山詔一・真田治子
    • 雑誌名

      日本語の研究(日本語学会)

      巻: 6巻2号 ページ: 31-44

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 2008年・2009年における日本語学界の展望・数理的研究2010

    • 著者名/発表者名
      真田治子
    • 雑誌名

      日本語の研究(日本語学会)

      巻: 6巻3号(依頼原稿) ページ: 114-119

  • [雑誌論文] 平成20 (2008) 年国語国文学界の動向・国語学・近代日本の言語生活解明に向けて2010

    • 著者名/発表者名
      真田治子
    • 雑誌名

      文学・語学(全国大学国語国文学会)

      巻: 197号(依頼原稿) ページ: 54-57

  • [雑誌論文] 現代日本語に浸透した学術用語2010

    • 著者名/発表者名
      真田治子
    • 雑誌名

      日本語学

      巻: 29巻15号(依頼原稿) ページ: 26-34

  • [学会発表] 日本語の中に潜む無意識の規則性を探る-表記と音韻に関する計量的・実験的研究2010

    • 著者名/発表者名
      真田治子
    • 学会等名
      東北大学大学院国際文化研究科附属言語脳認知総合 科学研究センター「言語・脳・認知」公開講座
    • 発表場所
      東北大学
    • 年月日
      2010-07-01
  • [学会発表] 「哲学字彙」稿本と『英独仏和哲学字彙』の成立2010

    • 著者名/発表者名
      真田治子
    • 学会等名
      日本語学会2010年度春季大会
    • 発表場所
      日本女子大学
    • 年月日
      2010-05-30
  • [図書] Text and Language : Structures -Functions -Interrelations -Quantitative Perspectives2010

    • 著者名/発表者名
      Haruko Sanada
    • 総ページ数
      183-194
    • 出版者
      Praesens Verlag (Wien)

URL: 

公開日: 2012-07-19  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi