研究課題
本研究の目的は、これまで方言学の分野で集積されてきた諸方言の文法に関する記述の中から、文法形式を網羅的に取り上げ、さらに統一的な観点のもとに記述を精密化し、全国方言の文法現象を一望できる辞典を編むことである。これによって、「方言研究」と「日本語研究」の境界をいったん解消し、いずれは、すべての日本語研究が地域的バリエーション(方言差)を把握したうえで行われるようになるための一助としたい。以上の目的のもとに、今年度は以下の調査・研究および成果報告の原稿化を行った。(1)『全国方言文法辞典《原因・理由表現編》増補改訂版』のための調査および原稿化・「暫定版」として平成18年度に刊行した『全国方言文法辞典《原因・理由表現編》』の原稿を再点検し、山梨県奈良田方言(吉田)、岐阜市方言(山田)、富山市方言(小西)、富山県立山町方言(小西)、京都市方言(舩木)、沖縄県那覇市首里方言(仲原)について、大幅改稿を行った。・大阪市方言(高木)、沖縄県宮古島市平良字下里方言(中本)の調査を実施し、原稿化した。・青森県蟹田町方言(竹田)の調査を実施した。・辞典部分の用例部分の執筆のために、『全国方言資料』『方言談話資料』の中から、原因・理由表現を含む例文を抜き出す作業を行った(小西・竹田・日高・舩木・吉田)。・辞典部分の記載項目の構成についての検討を行い、以下の分担で項目記述を行った。「カラ」(竹田)、「ケー」(舩木)、「サエ」(吉田)、「サカイ」(日高)、「シ」(舩木)、「ニ」(吉田)、「ダス」(竹田)、「ドゴデ」(竹田)、「デ」(小西)、「ハンテ」(日高)、「ヨッテ」(舩木)、「ンダ」(吉田)(2)「全国方言文法辞典 ウェブ版」http://hougen.sakura.ne.jp/index.htmlの更新(日高)を行った。
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日本語学 26巻11号
ページ: 92-100
ページ: 148-155
岐阜大学教育学部研究報告 人文科学 56-2
ページ: 1-21
岐阜大学教育学部研究報告 人文科学 56-1
ページ: 11-41
ページ: 44-56
http://hougen.sakura.ne.jp/index.html