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2008 年度 実績報告書

談話における指定文に関する総合的研究-関連性理論、認知言語学による考察

研究課題

研究課題/領域番号 19520417
研究機関上越教育大学

研究代表者

加藤 雅啓  上越教育大学, 大学院・学校教育研究科, 教授 (00136623)

キーワード指定文 / 分裂文 / 疑似分裂文 / コピュラ文 / 関連性理論 / ガ分裂文 / 談話
研究概要

本年度は、日本語のガ分裂文を取り上げ、談話における認知的、語用論的機能と特性について考察した。天野(1995b)は、ガ分裂文はA項に焦点があるものと、B項に焦点があるものの二種類がある、と主張し、前者を前項焦点文、後者を後項焦点文と規定している。これに対して砂川(2005)は、(i)プロソディックな強勢を置けるか、(ii)「だけ」による限定ができるか、(iii)否定文にできるか、という3つの観点から、ガ分裂文を分析し、天野(1995b)の後項焦点文を認めず、ガ分裂文は前項焦点文と全体焦点文の2種類に分類できると主張している。
これに対し、(1)「プロソディックな強勢を置けるか」という観点からの議論は、誤った事実認定に基づくものであること、(2)ガ分裂文と限定詞「だけ」をめぐる論拠は妥当性を欠くこと、(3)否定分裂文を巡る砂川(2005)の議論は、自らの分裂文の定義に抵触し、否定分裂文の成立条件と当該の分裂文の情報構造がどのような関わりを持っているのか明らかにしていないこと、から砂川(2005)の主張は妥当性を欠くものであることを明らかにした。
日本語報道文から収集した後項焦点のガ分裂文を関連性理論の観点から分析し、(i)後項焦点文のA項には、代用表現(語彙的繰り返しを含む)の出現率が比較的高いこと、(ii)後項焦点文のA項は、先行文脈の話題と何らかの意味的関係を持つ傾向がきわめて高いことを明らかにし、(iii)後項焦点文のB項は、先行文脈の話題を断ち切り、新しい話題を導入する機能を持つこと(話題転換機能(topic shift))を新たに提案した。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2009 2008

すべて 雑誌論文 (1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] ガ分裂文の談話機能2009

    • 著者名/発表者名
      加藤雅啓
    • 雑誌名

      上越教育大学研究紀要 28

      ページ: 119-130

  • [学会発表] ガ分裂文の談話機能について2008

    • 著者名/発表者名
      加藤雅啓
    • 学会等名
      ことばを考える会
    • 発表場所
      新潟大学新潟駅南キャンパス
    • 年月日
      2008-09-10

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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