研究課題/領域番号 |
19520421
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
渡辺 秀樹 大阪大学, 言語文化研究科, 准教授 (30191787)
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研究分担者 |
大森 文子 大阪大学, 言語文化研究科, 准教授 (70213866)
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キーワード | メタファー / 動物比喩 / 英語イディオム / ジャーナリズム / 認知言語学 / 概念メタファー / レトリック / 英語文体論 |
研究概要 |
2007年度には前年度から引き続き、25年間研究してきた古英語叙事詩Beowulfの文体論的研究の集大成として学会発表を日本語(1)と英語(2)で2件行い、内外の歴史的英語研究者に自分のメタファー研究を通じた本詩の新しい読み方を提案し、日本人のBeowulf研究80年の成果を概説した。(1)は外国の出版社より2008年に出版予定であり、(2)の方は既に数人の研究者に引用されている。 英語動物比喩に直接関わる研究としては、これまで部内共同研究で3年間継続してきた「共同研究英語動物名のメタファー」の中間的まとめとして、イヌ科の名詞群の人間比喩義が、総称名・品種名・派生形といった各レベルでそれぞれ構造をなして関連し合っていることを示し、特にジャーナリズムのジャンルで特定品種名が人間比喩として盛んに使われている状況を明らかにした。 さらに昨年度から継続している19世紀初頭に英国で出版された動物寓話詩の研究のまとめとして、既に研究テーマとして扱った昆虫名・鳥名が多出する3編を選び("Butterfly's Ball and Grasshopper's Feast""Peacock at Home""The Lion's Masquerade")、登場する動物名と比喩義をリスト化、比喩義の構造性や歴史的引喩を解説し校訂テキストと和訳を準備し終わった。これを総計30ページの動物比喩研究文献として2008年4月に出版予定である。この種の寓話詩は日本ではまだまとめて紹介されておらず珍しい動物比喩研究文献となるため、今後も同種の寓話詩の校訂和訳を続けたい。「英国動物寓話詩群の人間比喩」という新テーマを設定し、研究書の1章分で解説することも考えている。
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