研究概要 |
古英詩Beowulfの解釈と校訂について新たな論考を行い、前年の学会口頭発表原稿を基に、詩的複合語の形態の比喩表現を論じる英文論文を国際誌に発表した。 英語動物比喩の総合研究としては、爬虫類・両生類・魚類の英語名と人間比喩義を各種辞書を資料にリスト化し、その中で頻用されるshark, chameleonのメディア英語での使用例を収集、また魚類名の間の階層関係を陸上動物名のそれと比較論考した。これは追跡調査をした後に論文として2009年度に発表する。 前年度より継続している英語諸辞書における動物名の比喩義とイディオムの記載対照表を拡大して、リストで注目される現象、“to make a fool of me"の形の文型でのfoolの位置に起きえる動物名の意味と使用の比較論考、動物名の総称語fish, bird, beast, bug, animal等の複合形での人間指示用法の考察、コロケーションによって類義と反義をあぶりだす方法論を考察した。これらによって明らかになった動物名の人間比喩義の諸構造については、2009年度(11月15日)の日本英語学会シンポジウムの講師として発表する予定である(同テーマで講師を依頼された)。また当該リストを基にしてミュージカルCatsの歌詞を精査・確認し、歌詞に現れた動物名成句群の意味と系譜の考察を行った。関連して名詞catを含む諺・成句・イディオムの記載を諸辞書で比較し、比喩義において名詞catと類義・反義になる動物名を考察し、その構造を示した。これは2009年4月出版の『言語文化共同研究プロジェクト2008』に発表し、その後に英文論文を学会誌に投稿する。
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