(1)本研究課題の共同研究を遂行するための基礎作業として下記のことを行った。代表者と分担者により、準備状況と研究計画の確認と、今年度のスケジュールの再確認を行い、生成文法の普遍文法モデルにおける仮説群、インターフェイスの位置づけなどの点検と、従来型モデルが、言語の均一性と同時に言語多様性、言語間差異が予測できるようなモデルかどうかを検証した。 (2)共同研究のこれまでの実績を確認し、発展させるために、下記の研究や調査を遂行した。統語論/意味論/談話のインターフェイスに関わる問題として、これまで行って来た共同研究の成果を整理して、今後の課題を明確にした。特に、言語機能モデルの見直しにより、様々な構文で観察される書語多様性と言語普遍性を共に説明するには何が必要かを討議した。更に、言語学文献により、(i)成人文法における言語多様性に関わる言語事実と関連構文の基礎的調査、(ii)本研究の課題である、文断片や省略の言語変異と言語獲得の諸相についての基礎的調査、などを行った。また、(iii)通言語的な変異がどこから来るのかを検討し、従来の普遍文法モデルと言語獲得モデルに内在する仮説群について洗い出した。 (3)共同研究の基礎資料を収集するため、大学院生による言語獲得調査を行った。子供の言語獲得に関する基礎資料として、(i)英語と日本語について、子供の発話資料の収集を行った。また、(ii)日本語の言語獲得調査を、保育園、幼稚園等において行った。また、(iii)これらの調査に基づく研究成果について学会発表の支援を行った。
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