(1)研究の全体構想:フレーム意味論に基づく英語語彙研究のために自己開発してきたソフトウェアと映画コーパス検索システムをスペイン語、ドイツ語、日本語などの多言語に対応させる。それぞれの言語間での対照研究を可能とする検索機能を開発して、世界の研究者に対してインターネット上で無料公開をして、フレーム意味論関連分野の研究発展に寄与する。 (2)研究の学術的な特色:平成17年以前の筆者の映画コーパスの研究では、「言語表現の研究には、それが使われる場面にアクセスできるコーパスが有用である」ことを示した。本研究の特色は、話者が言語を用いる際に想起する背景知識を重視するFrameNetの研究に、映画コーパス研究の成果である検索システムとそれが提供する場面情報とを組み合わせる点である。既に多くの研究者に注目されているFrameNet研究に映画コーパスの研究成果を応用することで、科学研究費補助金を受けて開発を続けてきた映画コーパスの研究成果が海外の多くの研究者に還元することが期待できる。
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