研究概要 |
幕末・明治期に発生したYokohama Dialectは日本語をベース(主体)としたピジンとして唯一知られている。このピジン語は簡略日本語が国際コミュニケーションのツールとして使われた実例であり、今後の日本と外国人とのあいだの国際コミュニケーションのあり方には大いに参考となりうるものである。 19年度ではまず当時の文献で見られるYokohama Dialectと判定される語彙・表現のデータベースの一部を作成した。具体的には、唯一まとまった資料であるExercises in the Yokohama Dialectにおいて英語と対訳されているYokohama Dialectの語彙をデータベース化した。つづいて、幕末・明治初中期の日本滞在記(Japan English: Key Nineteenth-Century Soruces on Japanの計21冊、Ganesha Publishing, Edition Synapse)のうち、6冊を精読し、そこに含まれているYokohama Dialectと認定される語彙もデーダベーニスに登録した。 また、幕末明治初期の日本側英学資料(『初期日本英学資料集成』(マイクロフィルム、34リール、雄松堂フィルム出版)に散見されるYokohama Dialectの語彙もダータベースに加えた。ただし、表記についてはアルファベットとカタカナの両方で表した。
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