研究課題
基盤研究(C)
本研究は、自然習得環境における日本語の第二言語習得過程を「学習者セオリー」という新たな切り口から捉え、異なる学習者の第二言語習得過程に影響する諸要因を明らかにし、状況論的観点から考察を加えたものである。特に、個別的な学習者セオリーの記述はもとより、ライフストーリー・インタビュー法による長期的な変容過程に影響する諸要因を捉えるとともに、特定の状況下における言語運用と学習者セオリーの関係を理解することで、総じてこの問題をマクロとミクロの両面から捉えるべく研究を設計した。本研究では、従来取り上げられることの少なかった日本語学習者に焦点を当て、外国人留学生と地域在住の外国人学習者を主たる対象とし、海外留学中の日本人学習者、外国人を支援するボランティアのデータもあわせて収集することでこの問題を多面的に考察した。これらの多様な文脈における学習者の習得過程を総合することにより、狭義の言語処理過程を超えて、より広い通時的・共時的文脈の中で起こる個人の変容過程としての第二言語習得過程に焦点を当て、従来のインプット-インタラクション-アウトプット型の心理言語学的モデルで欠落する側面を汲み取る新たなモデル構築への第一歩を築いた。今後は、本研究の成果を国際的な共同研究の形で発展させ、国際的な出版物への公刊、応用言語学関係の国際会議等での発表等により発信していきたい。
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コーパスに基づく言語学教育研究報告3 (峰岸真琴, 川口裕司編)(東京外国語大学大学院グローバルCOEプログラム「コーパスを基盤とする言語学教育研究拠点
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