研究概要 |
本研究の目的は,(1)小論文におけるgood writingの要素を明らかにすること,(2)広く活用できる第二言語としての日本語ライティングの評価法を確立させることである。 1.第二言語としての日本語ライティングの確立に向けて(田中) 2007年9月,Symposium on Second Language Writingが日本(名古屋)で初めて開催され,田中はその事務局として働くと同時にCollaborative Writing Assessment:Teacher and Student Self-Assessmentについて発表した。この国際大会を契機として,2008年3月には第2言語ライティングセミナー「第2言語ライティング能力を考える〜何をどのように評価し,フィードバックを与えるか〜」が東京で開催され,英語教育と日本語教育のライティング関係者が一堂に会した。田中は「日本語教育の立場から」として研究発表,パネルディスカッション「どうすれば第2言語ライティング能力を伸ばせるのか?」に登壇した。以上は,本研究の目的(2)に貢献するものと考えられる。 2.データ(小論文)の整理と追加収集(鎌田・田中) 目的(1)のために,既存データの追加として新たに学部生51名の2種のプロンプトの小論文を収集した。また,データ収集時にレベル判定のためのテストも行った。 3.ライティング評価・評価者の分析方法の検討(田中・鎌田・協力者:坪根由香里) 前年度科研で評価者による差のあることが示唆されたので,本科研で評価者をライティング教育経験に分けて分析する予定であったが,きらに,評価者のライティング評価のプロセスについて調査することにした。そのための先行研究,資料収集を行い,来年度プロトコル分析をすることに決定した。
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