本研究は教材と学習者との関連に着目した理論の構築に向け、特に学習者が教材から受ける影響と学習者要因との相関を解明することを目的とする。学習者要因を特定するためのフェイスカードを検討した後に、日本留学前・留学中・留学後の学習者を対象に縦断的にPAC分析を実施し、学習者が教材から受ける影響と学習者要因の相関を探ることを目指している。 平成19年度は研究代表者(丸山)が育児休業等の取得に伴う研究の中断したため、平成20年度は初年度(平成19年度)の活動の継続部分をおこなった。具体的には (1)平成19年度に引き続き、PAC分析の実施に向けた調査計画とフェイスシートの作成を行った。 (2)学習者が教材から受ける影響と学習者要因の相関を探ることを目的とした研究にPAC分析を用いる可能性と課題について、ワークショップを2回(平成20年11月22日、平成21年2月14日)開催し、PAC分析開発者らを招くとともに、PAC分析に関心を持つ日本語教育関係者と情報交換を行うなどして、PAC分析の活用について検討を行った。 (3)(1)(2)第1段階をふまえて、丸山(研究代表者)・小澤(研究分担者)と近藤(連携協力者)が調査地域(ニュージーランド)を選定した。 (4)協定校のオタゴ大学(ニュージーランド)の日本語教育関係者(郭南燕准教授:現国際日本文化研究センター所属)の協力を得て、オタゴ大学より調査実施の許可を得た。 (5)丸山(研究代表者)・小澤(研究分担者)が調査地域(ニュージーランド)へ渡り、留学前の日本語学習者を対象とするPAC分析を実施した。
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