研究実施計画に沿って、ペルー在住の元日本留学生への聞き取り調査を進めた。4月〜7月に在ペルーの元日本留学生会や、1970年代〜80年代に日本に留学していた元留学生個人との連絡調整を行い、8月に海外出張調査を行った。リマ市滞在中に13名の元留学生を対象として、それぞれの職場等へ赴いて、一人約2時間の聞き取り調査を行った。聞き取り調査に加えて、在ペルー日本国大使館やリマ市の主要大学や文化施設を訪問し、研究・生活環境を見学し、関係者と意見交換した。滞在にあたっては、現地で調査補助者を謝金を使って雇用し、移動の助けや現地での連絡調整に従事させた。 その後国内在住の元留学生にも聞き取り調査を行い、その他数名とも連絡をとって、調査対象者を増やした。 聞き取り調査結果はすべて録音し、謝金を使用して文字化した。文字化した結果の分析を進める中で、日本留学の効果が、留学後20年、30年という長期的視野から検証でき、そこにはラテンアメリカの文化の政治・社会状況や文化の特徴が大きく関わっていることが予測できる。留学の成果は、教育者は学生指導に活かし、会社員はリーダーとして組織運営に活かしている。専業主婦になった人についても次世代教育に留学の成果がみてとれる。 平成20年度にさらにラテンアメリカ数都市での調査を行い、合わせて分析を行なう計画である。
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