研究概要 |
1)本年度は、主として従来実施してきた開発研究に関する評価を昨年度に続いて実施し、昨年度の海外における関係情報収集の成果に基づいて、本研究課題で開発する「日本語口頭能力試験」の評価システムの仕様を確定し、実際にソフトウェアを開発し、予備的な実験を実施することを目標に研究を進めた。 2)具体的には、まず庄司ほか(2003,2004,2005,2006)およびShoji et al.(2004)で既に公表された口頭能力試験で用いた「評価票」に関して精査し、評価項目の修正や削除・追加を行ない、また、1)の予備実験で用いる課題の種類を確定するとともに、予備実験で評価する発話標本を確定した。 3)「評価票」を改定したため、コンピュータ上でシステム化する前に紙媒体で評価票自体の検討をするためのデータを得る実験を実施した。その結果、i)ごく一部の項目に評価者間でばらつきの大きいものがあった、ii)発話標本に関して、上位群(2名)と下位群(2名)の代表を選んだが、実際は上位群(1名)、中位群(1名)、下位群(2名)になっていた、などが明らかになった。これに対して、i)発話標本は変更しないこと、ii)項目に関しては実験参加者のアンケート結果を参考にして部分的変更を検討すること、とした。 4)実際に評価者による評価を実施し、その結果を集積し、分析するために必要なソフトウェアの開発に関して情報工学の専門家に聴き取り調査を実施して貴重なご意見をいただいた。そして、その結果をもとに評価システム仕様の概要を決定し、専門業者に開発を委託し完成した。
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