平成21年度(2009年度)は、国際間ヴァーチャル教室活動(映画討論会)プロジェクト(平成19年度~21年度)の最終年度にあたり、下記のことを行った。 1) 2009年秋にヴァーチャル映画討論会の実施を行い、活動のプロセスと成果についてデータ収集を行った。 (1) 電子メールのテクスト・データの整備。(2) テレビ会議の録画データの、文字おこし。 (3) 参加者を対象とした活動評価アンケート・インタビューの実施、結果の分析・考察 2) 3年間の実践活動から収集したデータの分析・考察を深め、4編の論文の執筆を行った。 3) 1)の投稿済み論文で、ヴァーチャル映画討論会の汎用モデルの提案をした。 4) 1)の投稿済み論文で、理論的枠組みの検証を行った。 5) 1)の現在執筆中の論文で、先行研究に指摘された遠隔接触場面(CMC)の問題点を改善する手法として、下記のことを検証し提案じた。(1)言語の社会化理論の応用の有効性、(2)緩衝材としての映画の有効性、(3)ブレンディドラーニングの有効性、(4)CMCにおける交信の「公開性」と「宛名性」の導入、(5)タスク達成型活動汎用モデルの提案、(6)参加者の協働かつ自律的参加の有効性などを検証した。 【研究成果】国内外の査読つき学術誌に2編の論文を投稿済み(採否の返事待ち)である。加えて2編の論文を現在執筆中である。日本語教育学会でパネル発表(2010年5月22日-23日)を行う。年度初めには、海外の学会(ドイツ、イギリス、オーストラリアの国際学会で論文発表を予定しており、論文4本を執筆した。しかしながら、本務における教育、院生の論文研究指導、行政などのワークロードが超過重となったため、海外の学会出席の時間の捻出が物理的に不可能となった。発表の貴重な機会を断念せざるを得ず、残念であった。本プロジェクトの成果は論文投稿など形で今後発表していきたい。
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