茨城県大洗町には約1000人のインドネシア人就労者が居住し、町の全人口の5%を占めるエスニック・コミュニティを形成している(データは研究開始当時のもの)。就労者の中にはごく少数ではあるが、積極的に日本語を習得し、日常的に日本語を使用するものと、長期にわたる滞日であっても必要最低限の日本語しか運用できないものがいる。また、学齢期の子女たちの中には、両親の日本語能力を著しく上回るものがいる一方、母語の能力に問題があり、日本語が第一言語になりつつあるものも出てきている。そうした状況を踏まえ、申請者は本研究において概ね以下のことを明らかにしようとしている。 (1)インドネシア人就労者および随伴子女の日本語使用の実態 (2)コミュニティの成立、発展、機能、分散化と成員の日本語習得との関係 (3)インドネシア人就労者のライフヒストリー (4)インドネシア人就労者の異文化受容、言語・文化の継承、ライフコース上の時間的展望 (5)大洗町および周辺自治体、日本人住民側の態度や取り組みの実態 (6)国内外にある他のインドネシア人コミュニティとの違い
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