本研究の目的は、口頭で受けた試験に練習がどれぐらい影響があるか、またキーワードリストの使用が影響を与えるかを見ることである。84名の大学生が標準化されたスピーキングテスト(t-SST)を受験後、期末試験の一部であるOral Summary Test(口頭で読んだ内容をまとめるテスト)を受験し、三つの異なる課題に関して話をした。最初の二つの課題は練習をしてきているもので、第一課題はキーワードリストを見てよく、第二課題はその場でリストを奪われて行い、第三課題では練習していない課題を読んで行った。また、課題内容はカウンターバランスをされ、難易度の違いも統計的に制御された。三名の評価者は録音された参加者の音声を三観点(正確さ、流暢さ、内容)により評価をおこなった。結果としては、まず高い評価者間の信頼性を得た。仮説で予測された通り、練習をしていない課題が最も低く、次に練習のみの場合で、練習をしてかつキーワードを見た場合が最も高い評価を得た。習熟度によるパフォーマンスの違いは統計的には見られず、また練習時間の違いも影響が見られなかった。リストされている語の使用はリストがその場にあるほうが、無い場合より多かった。結論として、オーラルテストの練習をすることは、しない場合よりそのパフォーマンスを向上させるが、今回の研究ではプリポストのデザインではないため、練習自体が練習をしなかった場合のパフォーマンスを向上させたかどうかについてはわからなかった。
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