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2008 年度 実績報告書

慣用句を手がかりに行う前置詞の棲み分け研究に基づくモジュール教材作成と高大連携

研究課題

研究課題/領域番号 19520482
研究機関信州大学

研究代表者

花崎 一夫  信州大学, 全学教育機構, 准教授 (40319009)

研究分担者 花崎 美紀  信州大学, 人文学部, 准教授 (80345727)
加藤 鉱三  信州大学, 全学教育機構, 教授 (20169501)
キーワード前置詞 / 棲み分け / モジュール教材
研究概要

前置詞の多義研究は、1語の多義を扱うSemasiologicalな研究(例:fruitは果実・結果・・・・という意味があるとする研究)に終始している感があるが、本研究は、それに近似義語を扱うOnomasiologicalな視点(例:果実を表す語にはfruit・nut‥‥があるとする視点)を加え、その近似義語間に見られる意味の重なりの緊張関係が意味拡張を阻止すると考えている。20年度は、英語の前置詞、near, back, across, behind, at, around, aboutついて現代英語の用例を収集し、各前置詞のイメージスキーマを作成し、結果として中心にくる用法を中心スキーマと認定する一方、他の用法とつながらない用法を孤立用法として確認する作業を行った。そして、これらの成果などを学会や論文で発表するとともに、モジュール化教材の作成のなかで反映させた。現在も作成中のモジュール教材は、授業に臨む前に各自が自学自習できるようになっているのが特徴である。具体的には、基本問題演習とその解説から構成されており、特に解説においては、20年度の研究成果が反映されたものになっている。また、前置詞の研究と関連して、メタファーの観点から日本語と英語を比較することを通して、英語が結果志向・有界的であり、日本語が経過志向・無界的であることを示した。この実証的な研究を通して、改めて語レベルでの相同性が存在することを確認したわけである。今後の課題としては、さらに文レベル、談話レベル、文化・コミュニケーションレベルでの相同性も併せて検討し、言語の発生源である認知構造との相同性、すなわち「発生的相同性」を求めることを通して、言語を通してみる人類学研究の可能性を追求することが重要になるであろう。

  • 研究成果

    (9件)

すべて 2009 2008

すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (4件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] 前置詞の棲み分け-inとonを中心にして2009

    • 著者名/発表者名
      花崎一夫, 加藤鉱三
    • 雑誌名

      中部英文学 28

      ページ: 233-242

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 上を表す前置詞Upon/On そしてInの意味論-前置詞の包括的な分析にむけて-2009

    • 著者名/発表者名
      花崎美紀, 花崎一夫
    • 雑誌名

      人文科学論集(文化コミュニケーション学科編) 43

      ページ: 61-69

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 日英語の語レベルにおける相同性をめぐって2009

    • 著者名/発表者名
      花崎一夫, 花崎美紀
    • 雑誌名

      信州大学人文社会科学研究 第3号

      ページ: 56-70

    • 査読あり
  • [雑誌論文] if節を伴わない仮定法の翻訳手法2009

    • 著者名/発表者名
      加藤鉱三
    • 雑誌名

      言語処理学会第15回年次大会(NLP2009)発表論文集 第15回年次大会

      ページ: 650-653

  • [学会発表] 日英語における相同性を考える-<有界性>と<無界性>2008

    • 著者名/発表者名
      花崎一夫, 花崎美紀
    • 学会等名
      日本英文学会中部支部大60回大会
    • 発表場所
      信州大学
    • 年月日
      2008-10-18
  • [学会発表] 結果としての結果構文2008

    • 著者名/発表者名
      加藤鉱三
    • 学会等名
      日本英文学会中部支部大60回大会
    • 発表場所
      信州大学
    • 年月日
      2008-10-18
  • [学会発表] Why Do Prepositions Look Polysemous?2008

    • 著者名/発表者名
      加藤鉱三
    • 学会等名
      ELSJ International Spring Forum
    • 発表場所
      東京外国語大学
    • 年月日
      2008-04-28
  • [学会発表] The Semantics of Till / Until/ To &On / Upon/ In2008

    • 著者名/発表者名
      花崎一夫, 花崎美紀
    • 学会等名
      ELSJ International Spring Forum
    • 発表場所
      東京外国語大学
    • 年月日
      2008-04-27
  • [図書] 開放系言語学への招待一文化・認知・コミュニケーション2008

    • 著者名/発表者名
      花崎美紀
    • 総ページ数
      241
    • 出版者
      慶応大学出版社

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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