第2年目にあたる平成20年度は、当初連携研究者西村秀人・重松由美2名の海外調査を中心に実施する予定であったが、世界的な経済の混乱や調査予定者の体調不良等で、計画を大幅に見直さざるを得なかった。今年度は、前年度収集の資料についての整理と分析を行うとともに、西村が3月7日から3月20日まで行ったアルゼンチンとウルグアイの調査を行った。前年度の水戸の調査に続き、ブエノスアイレス大学外国語センターにて、同センターにおける外国人スペイン語学習者のシステムについて授業を参観しつつ説明を受け、ポルトガル語話者を含むスペイン語を母語としない学習者への教授法についての情報を収集、今後の相互協力の可能性を検討した。さらに、国立セルバンテス劇場等においてタンゴをはじめとする伝統文化教育のシステムについての情報を収集した。ウルグアイ(15日-17日)においては、共和国大学出版部へ行き、担当者とポルトガル語関係・文化関係の出版物の出版状況について意見交換をし情報を収集した。その後、在ウルグアイ日本大使館において、関係者とウルグアイ・南米地域における異文化交流について意見交換を行った。さらに、モンテビデオ・ブラジル文化センターを訪問、モンテビデオにおけるポルトガル語学習のシステムと、教育者・学習者の概要について情報を収集した。 今回は、特にブラジルとアルゼンチンの中間に位置するウルグアイが調査地に含まれたことから、2言語文化圏の接触や交流をより直接的に示す貴重な資料が多数収集でき、研究を推進する上での新たな展望を開いたと言える。
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