平成21年度は第3年目であることから、調査の最終年度という位置づけで研究を開始した。 当該年度も連携研究者として、名古屋大学・国際開発研究科・准教授西村秀人と名古屋大学・国際言語文化研究科・非常勤講師重松由美が参加した。 西村は、ラプラタ地域における言語文化教育の調査を担当した。平成20年度の特にウルグアイの調査により、ブラジルとアルゼンチンを中心とした2言語圏の言語文化の関係と交流の現状の概要が明らかになったが、8月に調査を行ったラプラタ地域および2言語圏の中間に位置するウルグアイの「ムルガ」という舞踊音楽を核にした文化活動に関する報告は、複数の言語が干渉しあう地域における言語文化教育のあり方、さらに芸術が国民意識を形成する役割の具体的な事例として貴重なものであった。 重松は、諸般の事情かち、国内における研究に専念した。先行する2年間のブラジルをはじめとする調査の分析結果と在日ブラジル人の言語学習環境との対象研究から、論文等の執筆、学会発表を行い、さらに成果の応用として、スペイン語を既習しな日本人に配慮したポルトガル語教材を試作段階まで進めた。 水戸は、前年度に引き続き、国内において2言語比較対照研究のデータの集積とその分析を行うとともに、特に西ポ2言語を専攻する海外の研究者との情報交換を進めた。当初最終年度としていた平成22年度に研究成果を総括する予定でいたが、研究計画最終年度前年度応募が採択されたことから、新規計画の中で、随時具体的成果を発表していく。
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