研究課題/領域番号 |
19520489
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
HARTING AXEL 広島大学, 外国語教育研究センター, 准教授 (80403509)
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研究分担者 |
岩崎 克己 広島大学, 外国語教育研究センター, 准教授 (70232650)
吉満 たか子 広島大学, 外国語教育研究センター, 准教授 (20403511)
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キーワード | ライティング / Eメール / 語用論 / 比較言語 / ドイツ語教育 |
研究概要 |
本研究の目的は、日本人とドイツ人がそれぞれの母語で書いたメールと日本人のドイツ語学習者がドイツ語で書いた「依頼・お願い」の表現を含むメール(以下「依頼メール」と略)を収集しデータベース化し、それらの経験的なデータからわかる両言語の作文慣習の違いを明らかにし、それを日本人に対するドイツ語教育に役立てることである。 本研究の2年目において、研究代表者は、広島大学において、日本人母語話者の学生が、外国語としてのドイツ語で書いた「依頼メール」を収集した。これらを、研究分担者である岩崎克己および吉満たか子ならびに研究協力者である日本人学生とともに分析した。また、これらのデータを、既に研究の初年度において収集され、データベース化されている日本人およびドイツ人学生がそれぞれの母語で書いた「依頼メール」と比較した。それにより、日本人のドイツ語学習者は、ドイツ語の「依頼メール」を作成する際にも、日本語の作文慣習を用いていることが示された。たとえば、日本人が書いたドイツ語の「依頼メール」には、負担をかけることに対する謝罪が述べられているが、ドイツ語ではそうした場合に謝罪表現が使われるのは普通ではない。逆に、ドイツ語ではよく使われる、感謝の表現や埋め合わせの約束などはそれほど使われていない。また特に、日本語でよく使われる慣用表現である「よろしくお願いします」や「お世話になります」などの言語表現レベルでの干渉も見られた。これらの研究成果については、すでに東京における学会等でも成果報告している。
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