研究期間の初年度となる本年度は、来年度のコンテンツ本格運用に先駆けた準備期間として、配信用音声コンテンツの作成、予備調査の実施および分析、学会・研究会への参加を行った。 まず、購入したコンテンツ開発関連資料や、これまでの研究・開発から収集したデータに基づき、配信用の音声コンテンツの企画・立案を行い、謝金を使い、外国人英語話者の協力を得て音声を録音した。また、本研究費で購入したコンピュータを使い、音声配信用のファイル形式に編集した。同時に、Podcastingに必要な音声配信用ウェブサイトを用意した。 次に、授業での運用を予定している広島県内の大学生を対象に、Podcastingの利用環境とニーズを把握するための予備調査を行った。この結果、約3割の学生がiPodを所有しており、その他のデジタルオーディオプレーヤの所有率も高いことなどから、多くの学生がPodcastingを利用可能なことが判明した。その一方で、Podcastingの利用経験のある学生はごく少数に過ぎず、その背景にPodcastingの認知度の低さがあることもわかった。さらに、ネット上で利用可能な英語教材に対するニーズの高さも伺えた。これらの結果から、後述するいくつかの課題が浮上した。 最後に、他の大学などでの実践・研究の動向を把握するために、旅費を利用して、学会や研究会などに参加し、他の研究者との情報交換を通じて有益な知見を得た。 来年度は、編集した教材をネット上で公開するとともに、内容理解確認用教材および課題テストを開発し、本格運用に結びつけて行きたい。また、本年度の予備調査の結果に基づき、「学生のニーズに即した教材の開発」「多様な視聴形態への対応」「Podcastingを利用した英語学習の促進」「Podcastingによる学習支援効果の考察」の4点を、新たな課題に加えたい。
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